「障害のある子が『親なきあと』にお金で困らない本」(書籍)
障害者手帳を申請した頃に、とりあえず何か本でも読んでみるか、と購入したのがこの本。
「障害のある子が『親なきあと』にお金で困らない本」渡部伸著(2016年/主婦の友社)
障害児の親の一番に考えるのは
「この子は将来どうなってしまうんだろう」
ということだ。
先も見えず、差別はいまだにあり、不安だけがどんどん膨れ上がる中、とにかく少しでも情報が欲しくてこの本を手に取った。
「明るく、前向きに生きる」なんていうのは二の次で、まずは「将来の道筋の目安」みたいなものを知りたかった。
この本は同じ著者の「障害のある子の家族が知っておきたい「親なきあと」―お金の管理 住むところ 日常のケア」という本の続編だそうだ。
とりあえず新しいものを先に読んでみた。
内容は障害基礎年金の知識や、成年後見制度の話、そして生活保護のことなど。
的確に必要なことを最低限まとめて、簡単な事例も掲載してくれていてわかりやすい。
「親なきあと」子どもがお金で困らないための5つのポイント
(1)定期的にお金の入る仕組みを用意する(年金、手当、信託など)
(2)そのお金が子どもの生活に使われる仕組みを用意する(成年後見、日常生活自立支援事業など)
(3)生活の場=住む場所を確保する
(4)入院のリスクに備えて医療保険に加入する
(5)困ったときに頼れるルートを確保する
読んでみてわかったことは、
・ちゃんと諸々の手続きさえしておけば、まぁなんとかなる。
・必要以上のお金を残すことに全精力を注ぎ込まずとも大丈夫。
ということ。
そして、お金は大事だけど、それよりももっと重要なのは
・将来の子どもの居場所を作ってやること
だということ。
つまり、グループホームや支援施設みたいなところに入るまでに至る、助けてくれる人たちとのつながりや、団体と関係を結んで、子どもが孤立しない仕組みを作ることが最も大切である、ということだ。
そいういえば、障害児の先輩お母さんも、高校までは支援学校があるからなんとかなるけど、その後の進路(居場所)を確保するのが非常に大変だ、と話していた。
就労するのか、できないなら作業所に行くのか、それも無理ならどうするのか。自宅で引きこもらせるわけにもいかないし、かといって行き場もなく、18歳以降に「詰んで」しまう障害者(と親)が結講いるんだとか。
行動力のある親は、そんな子どものためにNPO法人を立ち上げて居場所を作ったりしている。
例えば、どんな居場所があるのか。まだ障害児の母になって日が浅いためよくわかっていないが、これから時間をかけて調べていこうと思う。とはいえ、子どもの成長は早い。あっという間に18歳になってしまう前に、それなりに急いで。