普通の主婦が調べるブログ

障害のある子を適当に育てる日記

日本人には知的障害者が少ない??

「日本人には知的障害者が少ない」

という謎。

 

以前、日本における障害者の割合を平成25年度の障害者白書をもとに約6%と算出したが、新しい資料によると障害者の人口は増えている。

内閣府の「平成28年度 障害者白書」によると、

 

身体障害者393万7千人

知的障害者74万1千人

精神障害者392万4千人

合計860万2千人

 

となっている。

日本の総人口が1億2700万人なので、6.7%が障害者ということになる。

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参考資料 障害者の状況(基本的統計より)|平成28年版障害者白書(全体版) - 内閣府

 

日本の知的障害者は、総人口のうち0.5%だ。

かたや欧米諸国では、知的障害者の出現率は、約2.5%~3%だ。

(ソースは二次資料しか見つけられなかったが、一般的にそう言われている。)

 

え、日本人って知的障害が少ないの!?

すごい人種じゃん!!

 

……ってそんな単純な話があるかい!!

 

国によって定義や調査に差があるとはいえ、ここまで大きく数字に開きがあるというのはおかしい。

つまり、相当数の知的障害者が手帳を所持しておらず、福祉の網に引っかかっていないということだ。

その数、人口の約2%。

つまり、254万人だ。

これって、かなり多くないか?

254万人もの知的障害者が、障害者という自覚もなく、特に福祉の世話になることもなく、暮らしているのだ。

軽度だから普通に働けて、生活になんら支障もない、という人もいるかもしれない。

しかし中には、ホームレスになったり犯罪者になったり、かなり困難な状況にある人もいるはずだ。

 

障害のある子を育てていて思うのは、

「私が調べて『リハビリ受けたいから紹介状書いて下さい』とか、『専門の病院や施設あったら教えてください』とか動いてきたから今に至っているが、そうじゃなかったら福祉につながらなくない?」

ということだ。

病院はあくまでも「治療」はしてくれるが、障害児の療育云々に関しては基本的にはノータッチだ。

聞けば療育園などがあることを教えてくれたり、親切な看護師さんが「リハビリとか受けてみたら?」なんて言ってくれることもあるが、基本的には薬を出したり検査をしたり手術をしたり…ということしか病院はしてくれない。

手帳の取得の仕方なんて、医師も看護師も誰も知らない。

自治体によっては保健師を自宅に派遣なんてのもあるが、新生児の時に里帰り出産していたり、こちらから「生まれた」という連絡をしなければ、誰も自宅に来てはくれない。

定期検診をサボったって罪にはならないから、特に大きな病気などをしなければ誰も子どもの問題を知ることなく過ごせてしまう。

 

これってかなり大問題だ。

軽度の知的障害であれば気づかれないままだろうし、重度であっても身体に問題がなければ病院にもかからないから誰にも気づかれない。

普通の親なら就学の時期に問題に対処するだろうが、親自身にも例えば知的障害や精神障害があって対応できなければ、知的障害のある子は「勉強のできない子」というだけでスルーされていく可能性もある。

我が子のことで精一杯で、福祉のネットワークから漏れてしまった254万人もの人たちに手を差し伸べる力が今の私にはない。

ブログで発信するくらいしかできないのが情けないが、伝えていこうと思う。