普通の主婦が調べるブログ

障害のある子を適当に育てる日記

ハートネットTV「シリーズ 障害者施設殺傷事件から1年 第3回 生放送 障害者は“不幸”?」感想

2017年7月26日20:00~放送のハートネットTV「シリーズ 障害者施設殺傷事件から1年 第3回 生放送 障害者は“不幸”?」 

http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/program/?id=201707262000

生放送だったが時間的に見られなかったので録画で視聴。

f:id:eichix:20170728104334p:plain

 

障害者当事者たちが、この事件を受けて湧き上がった障害者へのヘイトについて語る生放送。

出演者は、

・豆塚 エリさん(詩人/作家)、

・坂川 亜由未さん・坂川 智恵さん(亜由未さんの母)、

 ・磯崎 晃宏さん(サルサガムテープ 団長)、

・かしわ 哲さん(サルサガムテープ リーダー)、

・ブルボンヌさん(女装パフォーマー

司会進行は、NHK中野淳アナウンサー。

豆塚さんは事故による中途障害者で車椅子の作家。

坂川亜由未さんはNHK青森のディレクターの妹で脳性まひと重度の知的障害があり、母の智恵さんは自宅をコミュニティスペースとして開放している。

磯崎さんはバリアフリーバンドで活躍中の知的障害者、一緒に活動しているかしわ哲さんは元歌のお兄さんで小説家、現在はNPO法人の代表でもある。

ブルボンヌさんはLGBTでエッセイストであり編集者としても活躍している。

 

冒頭から番組に寄せられたショッキングなメッセージが紹介される。

 

「障害者は目障り。消えてください」

 

なんとまあ、酷い言葉だ。

匿名とはいえ、わざわざインターネットでそれを書いて送信する、という行為に至ってしまうのは、彼(もしくは彼女)に一体どういうバックボーンがあるんだろうか。

 

中途障害者である豆塚さんは、かつては健常者だったため「差別」の気持ちが理解できてしまうという。しかし現在は「事故や病気などで誰でも、家族や友達、恋人が障害者になる可能性がある。老人になれば誰でも最後は動けなくなる」と語る。そして差別心を酷い言葉でわざわざ投書してくる人に対して、そう口に出してしまう状態であることを「かわいそう」と同情する。

坂川智恵さんは、「心無い言葉に傷ついたが、それ以上に地域や色んな人と繋がっているから、歩みを止めない」と言う。障害児を育てるということは将来への不安はもちろんあるが、それ以上に驚きや喜びを得られると語る。「この子がいなくなってホッとするなんてありえない。普通の子どもを失うことと同じ」と。「お金を稼ぐことだけが生産性なのか?笑いと喜びを提供してくれるこの子はそういう部分では生産性があると言える」とも言っていた。

ブルボンヌさんもLGBTはレインボーを象徴としているように、マイノリティである障害者と健常者などという境界は本来は曖昧であるが、便宜上「障害者」と区別しているに過ぎない、と言う。「子どもが産めないから生産性がない、障害者だから生産性がない、というのは短絡的。世の中はもっと複雑にいろいろなものが組み合わさっている」と語る。

磯崎さんは言葉少なだったが、この事件に心を痛めていること、そして「元気」に「未来」を向いて生きていくことを伝えようとしていた。

みんなの意見にはとても共感できた。

 そして、かしわ哲さんの言葉が、心に残った。

 

「“障害者のみなさん”とあなた(アナウンサー)は言うけれど、“障害者のみなさん”の“みなさん”なんて存在しない。それは実体のない言葉だ。個人、個人が存在しているんだ」

 

と、そんな主旨のことを言っていた。

お金を稼ぐということだけが生産性ではない、誰かをホッとさせたり、気持ちを明るくすることも生産性だ、という意見には納得だ。

経済はお金で回っているが、株価は先行きの不安感など人の感情に左右されるし、 ヒット商品なんかも人の心を動かすマーケティングによって生まれたりする。

ただ何かを生産してお金を得ることだけで社会が回っているわけではない。

そこには感情や、文化などが密接に絡み合っている。

とはいえ現実問題、障害者支援にはお金がかかる。そうした財源を今後どうしていくかが大きな課題となるだろう。

誰でも障害者になりうるんだから、支援はして当然だ。だからこそ、皆で実際にかかるお金をどこから捻出していくのか、ということを考えていかなければならないと思う。障害当事者にも「今を生きる」という責任がある。政治家任せにせず、考えていく必要があるはずだ。

…と、理想はなんとでも言えるが、どこから考えて調べて何をしていくべきなのか、まだ私自身が分かっていないので、勉強が必要だと思う。(反省)