叩いてしまった
参加を迷っていた運動会だったが、「雨なら狭いホールと教室を使って簡単に済ます」ということで、見事雨になってくれたので参加することができた。
かけっこは全員なし!(うちは最初から不参加予定だったけど)
お遊戯も親の膝の上でニコニコ、パチパチして終わった。
人がごった返している上に、軽い参観のような感じだったので、特に目立つこともなく、ヒソヒソ言う人たちとも直接顔を合わせなくて済んだ。
とりあえず、一安心。
「別に運動会出なくていい」と言っていた息子も、終わってみれば「楽しかったね!」と言っていたので、やっぱり行って良かったと思う。
雨よ、ありがとう。
ところで、表題のこと。
うちの娘は、知的障害がある。
まだ知的の方の診断はついてないけど、言葉が出ない、理解していない、など親の目から見ても明らか。3歳を目処に手帳を申請しましょう、と医師からも言われている。
おまけに、感覚が鈍くて、痛みを感じにくい。
だからこそ、強い刺激を求めてしまう。(OTの訓練で知った。)
やたらと高いことろに登りたがり、硬い金属を噛んだり舐めたり。
感覚が面白いのか、自分の腕を血が出るまで噛んでいたこともある。
問題なのは、危険がわからないということ。
親の言っていることはさっぱり理解していないくせに、なんとか椅子によじ登って、ダイニンングテーブルの上に登って座ることを覚えてしまった。
ちなみに、まだ歩けないからつかまり立ちとハイハイですべて行う。
手先も不器用でまだパーに開けないから、グーのままで。
登るだけでも大変なことだ。
「危ない!やめなさい!」と怒って下ろしても、何度も、何度も、何度も繰り返す。
そして、そこからキッチンのカウンターにダイブするように。
信じられない。
普通怖いし、危ないし、何度もテーブルから落ちれば気づくだろう!
でも、何度言っても、伝わらない。
痛い思いをしても、やめない。
そして、一瞬目を離したすきに、カウンターに用意していた食事をすべてひっくり返した。
その瞬間、カーッと頭に血が上り、「何度言ったらわかるの!!」と娘を思いっきりビンタしてしまった。
熱いスープはまだ入れていなかったので、やけどはしなかったから良かった。
でも、 危険を理解できない娘への苛立ちと、一瞬でも目を離した自分への後悔と、なんやかんやのモヤモヤがついに爆発してしまった。
娘は痛みに鈍感だから、泣きもせずヘラヘラしていた。
でも、少しずつ赤く手形が浮き出てくる娘のほっぺを見て、私が号泣してしまった。
まだ2歳の子どもを殴るなんて、酷すぎる。
親失格だ。
そのうち、娘は私の様子がいつもと違うことに気づいたのか、機嫌が悪くなり、泣き出した。
娘を抱きしめて、一緒に泣くしかなかったんだけど、どうしても「ごめんね」が言えなくて、ただただ悲観にくれていた。
こんな親で、娘が可哀想だと思った。
「あなたなら育てられる、と分かっているから、神様が障害がある子を授けたんだよ」
という言葉が大嫌いだ。
そういうことを言う人には、「じゃあ、あなたも“優しい人”だから、きっと選ばれるよ、良かったね」と言い返してやりたい。
私は最低な親だ。
相談する相手もいないし、ブログに書いて罪悪感を軽くしようとしている。
もう絶対に叩かない、と誓いたい。
でも、本当に叩かないか、自信が持てない。
どうしたら、危険を理解してくれるようになるだろうか。
言っていることが伝わるだろうか。
「叱らない子育て」「言い聞かせて理解させる」なんて育児本には書いてあるけど、そもそも理解できない知的障害のある子は一体どうしたらいいんだ。
もしかしたら、昔の座敷牢ってのは世間から障害児を隔離するっていう理由の他に、なるべく怪我や危険から本人を遠ざけようっていう苦肉の策だったのかもしれない。
そんなこと、現代では無理だし、私もそれは望んでいない。
こんなことリアルの友人には相談できないし、今後の関係を考えると療育園の先生にも言えない。
似たようなことを乗り越えた人のブログでも探してみるか……