駐車禁止等除外標章、使っていいですか?
身体障害者の送迎などの際に使用する、「駐車禁止等除害標章」。
体幹機能障害のある娘も手帳を交付されたときに警察署で手続きをして、標章を交付されている。
(サンプル画像はWikipediaより)
提示しておけば駐禁切符が切られないことから、とてもありがたい標章なんだけども、なかなか使うことができない。
一番使いたいのは保育園の送迎のとき。
駐車場が少ないから停められずに困ることが多くて、できれば路駐して迎えに行きたいのだけれど、「ほかの保護者から見とがめられるのではないのか」という心配からなかなか使うことができない。
仮に路駐したとしても、近隣住民からよく思われないんじゃないか、保育園に苦情がいってしまうのではないか、との懸念から踏ん切りがつかない。
もちろん、標章を提示して駐車することが罪には問われないことはわかっているけど、標章のことを知らない人もいるし、知っていても「迷惑!」と思う人もいるだろうから、トラブルになりそうなことを極力避けている。
娘は筋緊張が低く側弯もあるうえに、多動でじっとしていられないからあんまり自転車には乗せられない。(乗せられないこともないけど、毎回けっこう危ない。)
結局ほかの保護者と同様に駐車場が空くまで順番に待ったりしているのだけど、最近役員会で「車での送迎は極力しないように」というような話が出ていて、ほとほと困っている。
必要があるから交付されているわけだし、できれば使いたいんだけど、どうしても「障害者様」と思われたら嫌だなぁ~とか考えすぎて、結局使えずじまい。
この「駐車禁止等除外標章」、2016年に大阪で逮捕者が出たことで一時期話題になった。
なんと大阪では、提示している車の約4割が不正利用なのだとか。
大阪で横行する「除外標章」の不正使用 衝撃的なデータも - ライブドアニュース
送迎以外で親族が勝手に使っている、という事例が多いらしい。
また、知人から借用して日常的に路上を駐車場代わりに使っていた、なんて例では「偽計業務妨害」での逮捕者まで出ている。
障害者本人であっても、不正は当然厳禁。
6回も再交付して、知人に渡していた聴覚障害者も「偽計業務妨害」で逮捕。
こんな奴らがいるせいで、余計に使いづらくなっている現状があるように思う。
本当に、いい加減にしてくれ!
社団法人全日本駐車協会の調査によると、東京都特別区における瞬間路上駐車台数は約5万7,000台。そのうち、82.5パーセントが違反車両だ。
違法駐車が多いのも、やっぱり「標章あっても停めにくいなぁ」と躊躇してしまう理由につながっている。
ヨーロッパなんかでは、路上に障害者用駐車スペースが確保されているケースもある。
(駐車許可証の提示が必須だけども。)
(画像はベルギー)
日本の障害者用駐車場は入り口から近いしスペースも広い上に、誰が停めても罰則などはないことから、健康な人が停めているケースもかなり多いように思う。
海外のように「駐車禁止等除外標章」提示が必須、なんてことになったら便利なんだけどなぁ。でも妊婦やけが人からの反対の声もありそう。
うちの近所の図書館では、あまりにも不正利用が多すぎて、車いすマークのところに停める際は「駐車禁止等除外標章」をダッシュボードに置くように、と貼り紙をするようになった。でも、罰則も取り締まりもないから、守っている人は誰もいないようだ。いつ行っても、車いすマークの駐車場は標章の置いていない車で埋まっている。
まあでも、海外の制度が最良かというと、実はそうともいえない。
駐車許可証である「ブルーバッチ」が200万人の障害者に普及しているイギリスでは、ブルーバッチ盗難が大問題になっているそう。
一年間に2900件も盗難されており、この5年で4倍も増えているそうな。
どこの国でも、制度を悪用したり、盗んだりする不届きものはいるってことなのね。
保育園の駐車場の件は、ちょっと保育園側に相談してみるかな…。